なんとも思ってない。
なんとも思ってない…。
あぁっ、もぅっ!
なんか、考えれば考えるほどムカついてくるわ!
このわたしを目の前にしておきながら、
なんとも思ってないってどういうこと?
そりゃあまぁ、ほとんど面識なんてないわよ。
前に会ったかどうかすら、わたしだって憶えてないんだから。
ポルトベロにそんな男がいることすら忘れてたし。
わたしだって、なんとも思ってないわよっ。
思ってなんかやるもんですか。
わたしのことをなんとも思ってない男なんて、
ホントどうでもいいわ。
でも、でもね。
あぁも面と向かって言われると、
(いや、本人に言われたわけじゃないケド)
なんかムカつくのよね。
こうなったら、なんとか思うようにしてやろうじゃないの。
見てなさい。
まずは軽くプレゼント攻撃よ。

さっき買ったばかりで、まだ使ってないブーツ。
はっきり言って安いものだし、
最初のジャブとしてはこのくらいでいいんじゃない?
ま、せいぜい有り難がりなさいよね。
(`皿´) ムキー!こっ、コイツってば…っ!
今よ! たった今買ってきたの!
黙って受け取るくらいしてもいいじゃないのっ。
アンタ、本当に頭に来るわね。
よーし、憶えてなさいよ。
すぐに土産話のひとつでも持って、リベンジしに来てやるんだから。
これで買ったと思わないことね。

これは…、腕輪…? 指輪…?
印章…、ってことは、いわゆるハンコ?
まぁ、いいわ。なんだって。
これなら土産話にはもってこいよね。
実物が持って帰れないから、
プレゼントもできないのは残念だけど。
あ、そういえば、
確かポルトベロの街にはロングソードが売ってたわね。

いざとなったら、刃物にものを言わせてでも…。
念には念を入れて、よ。
よし、準備は万端。
じゃあ、行くわよ。

あ…、あら…、ラウルくん…、き、奇遇ね…。
ちょ、ちょうど今、一仕事終えてきたから、
その報告に、ちょっと…、ちょっとだけ立ち寄ったのよ。
たっ、立ち寄っただけよ!
サントドミンゴまで行くの、メンドクサイのよ。
ここならそんな遠くないから、ちょうどいいかな〜って…。
あ、そうだ。
ちょっとそこでたまたまロングソード買ったんだけど、
よくよく考えたら、わたしってば冒険者だから、
長剣よりも短剣の方が性に合ってるのよね。
冒険者だけに、探検の方がって…、
ちょっ、ちがっ、そういう意味じゃなくって!
とっ、とにかくこのあたりは海賊も多いんだから、
これくらい装備しておいてもいいわっ。
ほらっ。

あ、えっと…、
そんなに喜ばれると、
わたしもちょっと困っちゃうのよね。
そんなにいい物じゃないし…。刃物だし。
ま、まぁでも、
喜んでもらえるに越したことはないわ。
さ、お仕事の報告と、
あとちょっと食事もさせて頂戴ね。
(9≧∇≦)9”